年を重ねるにつれて香りの好みはシンプルになりつつあります。
現在、愛用しているのは白檀の練り香水。
仏壇のある田舎で育ったわたしにはお線香の香りは懐かしい香り。
今でも実家に帰ると、お線香の香りがふわーっと鼻をくすぐります。玄関を入ってすぐ右手に仏間があるからでしょうね。もう、その部屋にお線香の香りが染みついている、という。
個人的にはお線香の香りは心落ち着きます。
若い頃は甘く濃厚な香りを。
ええ、若い頃は甘く濃厚な香りを愛用していました。
特にランコムのトレゾァが大好きで、何本かリピートをしたものです。深く、濃厚で、うっとりとするような香り、ああ、女で良かった!と実感させてくれる香り。わたしは今なお、トレゾァの香りが大好きです。
その系統の夏よりも冬にこそふさわしい、濃厚な甘さを漂わせた香水は今でも大好き。
でも、意外と男性受けは悪い、という。笑。
いいの、トレゾァの香りはわたしが耽溺するための香りなんだから!
20代の頃より、アラフォーの今のほうが似合いそうな香りなんだけれど、わたしの好みが変遷してしまいました。
より軽く、よりシンプルに、そして、過去に繋がる香りへと。
そして、現在は白檀の練り香水を愛用している、という。
誰かに会ってあいさつするときに(あるいは別れ際に)顔を近づけて、その人の好きな香りをかぐのは、言葉にできないほど素敵な感覚だ。誰かの香りを知るのは、大切な秘密を分かち合うこと。その人らしい女らしさを、そっと垣間見ること。
『フランス人は10着しか服を持たない』より抜粋。
白檀の香り。
この香水を購入する前に瞑想のために白檀のお香を購入しました。
結果として、瞑想中のお香は気が散る原因になるだけで、その使い方は早々と放棄を。そして、普通にお香を楽しむ感じで使いました。久しぶりに嗅いだ白檀の香り。
なんという至福のひと時!と心躍る。おかしい、白檀は心落ち着く香りのはずなのに。
精油のサンダルウッド(白檀)とも異なる深く酩酊的な、そして体と心、脳にまとわりつくような深い香り。ああ、とうっとりと堪能をば。そして、実家の仏間のくゆり、母の来ていた着物の香りなどがわたしの頭の中にパーッと広がりました。懐かしい過去を思い起こさせる香り。
ああ、白檀の香水が欲しい!と思いました。
そして、入手した練り香水はまさにわたしの思い描いていた香り。そっと手にとり、耳の後ろのくぼみにのせるとたちまちのうちに白檀の優しい、落ち着いた、懐かしい香りに包まれ、心が解れていくのを感じました。
ああ、白檀!
白檀(ビャクダン):サンダルウッドとも呼びます。やわらかい甘さのあるウッディな香りで、リラックス効果や防虫効果があるといわれています。
防虫効果を期待して洋服ダンスに使うのも有りですねー。きっと洋服に香りが移るんでしょうね。
一方でそういう記憶のない主人にとっては白檀の香りは変な香りだそう・・・トホホ。
香りの持続性は弱い、かな。
ま、練り香水は元々どれも香りが優しいですよね。
この白檀の練り香水も持続性という意味では非常に弱いです。が、身にまとった瞬間、うっとりとした酩酊するような幸福感に。
わたしは好きですね、この香りが。
上品な和の香りです。
同じシリーズに龍涎香もあるんですが、これも気になっていますー。次は龍涎香かな、と。
アンバーグリス(龍涎香)は抹香鯨の胃や腸にできる病的結石である。イカを常食とする抹香鯨の体内にイカの嘴が蓄積し、結石となり、胆汁や胃液などでこの不消化物を 包み、体外へ排出する。この塊が“灰色の琥珀”アンバーグリスである。長い年月海上を浮遊している間に日光と海水や空気と微生物により異臭が除かれ、黒褐色から灰色の蝋状の塊となり、妙なる芳香を放つ。
中国では龍の涎といわれるほどに珍重され、媚薬として後宮の佳麗たちにはなくてはならないものであった。これの入手に腐心した清朝の宦官は、ポルトガル人に頼みアンバーグリスと交換にマカオを失ったとされている。